気合を入れて豚汁を作った。具材と出汁にこだわり、何度も味見をして、最高の一鍋を作り上げた。「ちょっと多めに作ったほうが楽じゃん」とかいう理論で、大鍋いっぱいの豚汁になった。どう考えても1回で食べきれる量じゃないが、翌日も食べられるし。その日は家族から「美味しい!」の嵐で、まるでプロのシェフになったかのような気分に浸る。
朝食ももちろん豚汁だったが、24時間経ってもまだたっぷりと残っている。家族からは「また豚汁?」という視線を感じる。それでも今夜も豚汁を出した。すると「飽きたよ、もう」。なんて素直なひとこと。いやいや、そんなこと言うなよ、せっかく心を込めて作ったんだから。昨日まで大絶賛だった料理が、あっという間に厄介者へと転落した。
さすがに3日目はちょっとアレンジしようかな。カレーにするか。豚汁のだしがカレーのスパイスと相まって、絶対美味しくなる予感。これで家族も「また豚汁?」って言わなくなる…はず。