カレーって、普通は玉ねぎを炒めるところから始まる。香りを引き出して、コクを深めて……なんて言うけど、正直、あれ、面倒じゃない?だから私は、ここ数年カレーを「炒めない」で作っている。
作り方は超シンプル。まず鍋にお湯を沸かす。そこに適当に切った野菜や肉をドバドバ投入するだけ。完全に鍋料理の工程と一緒だ。でも、驚くことに、この手抜きカレー、誰からもクレームを受けたことがない。
スープが煮立ってきたら、市販のルーを溶かして完成。こんな簡単でいいのか?と自問するけど、実際に食卓に並べると、家族は普通に「今日のカレーおいしいね!」と満足げだ。誰も「これ、炒めてなくない?」なんて気づかない。
最初は罪悪感があった。「カレーを炒めないなんて、もはや冒涜では?」と思ったりもした。でも、これだけ何年もバレずに家族が喜んでくれるなら、もういいんじゃないかという境地に至った。
ネットで「玉ねぎを飴色になるまで炒めるとコクが出る」なんて記事を見ると、一瞬だけ心が揺れる。でもその次の瞬間、「いやいや、誰も炒めてないことに気づいてないもん」と現実に戻る。この手抜きスタイルで十分満足なんだから、うちはこれでいい。
というわけで、今日も我が家の夕飯は“炒めないカレー”。もしかしたら家族が真実を知ったとき、何かしらの反応があるかもしれない。でも、その日が来るまでは、このシンプルでおいしい“鍋風カレー”を堂々と作り続けようと思う。